「ときわせん」とは?常磐線の読み方問題!それなりの理由があるんです

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常磐線は「ときわせん」
そう読んでしまう方も少なくないかもしれません。
しかし、正しくは「じょうばんせん」と読みます。

なぜこのような読み間違いが生じるのでしょうか?

今回の記事では、常磐線の名前がどのようにして定められ、なぜ「ときわせん」と誤解されやすいのかを掘り下げていきます。
また、その背後にある歴史や地名の由来についても解説していきますので、常磐線の新たな一面を発見していただけることでしょう!

「ときわせん」とは?

「ときわせん」とは、常磐線の誤解による読み方です。
常磐線は正式には「じょうばんせん」と読みます。

この読み方の誤解は、漢字「常磐」が持つ他の読み方「ときわ」に起因しているようです。
「常磐」という字は「ときわ」と読むこともできますからね。

「ときわ」と読む「常盤」の例

例えば、東京都の有名な住宅地「常盤台」は「ときわだい」と読まれます。
この地名の読み方が広く知られていることから、「常磐」という漢字も自然と「ときわ」と読まれやすいです。
さらに、多くの著名な場所や商品、例えば「ときわ公園」や「ときわ荘」といった名前もありますね。それらが一般的に用いられていることも、「ときわ」という読みを一般に広める要因となっていると言えます。

さらに、女優の「常盤貴子」さんが有名です。
彼女の名前は「ときわたかこ」と読みますが、このような著名人の名前があることも、「常盤」を「ときわ」と読む習慣を後押ししているように思えます。

「ときわせん」は親しみやすい

このように「常盤」を「ときわ」と読む習慣は、地名や有名人など広く根付いていますので、それが鉄道の路線名においても同じように勘違いされている背景になっています。

特に「常磐線」という名称が路線の歴史や地理的な意味を含んでいるにもかかわらず、「ときわ」という読み方が耳に心地よく、また親しみやすく感じられるため、多くの人々に誤って広まっているのかも知れません。

「ときわせん」ならぬ常磐線(じょうばんせん)の名前の由来

さて、「ときわせん」と読み間違えられてしまう常磐線(じょうばんせん)ですが、なぜ、そのような名前がつけられたのでしょう?

常磐線がどのようにしてその名を得たのか、説明していきたいと思います。

常磐線(じょうばんせん)はどこからどこまで?

「ときわせん」ならぬ常磐線(じょうばんせん)という名前は、その路線が通る地域名に由来しています。
まず、常磐線はどこからどこまで通っているのか確認しておきましょう。

常磐線は、日本の関東地方を代表する重要な鉄道路線の一つで、東京都心から福島県の北部までを結ぶ広範なルートを持っています。
常磐線は、よく東京の上野から宮城の仙台までを結ぶ路線だと思われていますが、実は違います。
東京都の日暮里駅から始まり、千葉県を通過し、茨城県、福島県を経由して、福島県のいわき市の岩沼駅に至ります。
ですから、始点は日暮里駅、終点は岩沼駅となります。

全長は約344キロメートルに及び、東日本旅客鉄道(JR東日本)によって運営されています。

路線の途中、特に南部茨城県や福島県南部の区間では、多くの都市や町を繋いでいるため、地域の交通の要として機能しています。
常磐線は、通勤、通学、観光など多様な目的で利用されるほか、東京と北関東および東北地方の間を結ぶ主要な交通手段としても重要な役割を果たしています。 

常磐線(じょうばんせん)の名前の由来

常磐線が通っている広範な地域を紹介したところで、なぜ常磐線という名前になったのか、説明していきます。
常磐線は「ときわせん」と読み間違えられてしまいます。なぜこんな名前がついたのでしょうか?

その名前の由来は、茨城県の常陸国(ひたちのくに)と福島県の磐城国(いわきのくに)の頭文字を取って「常磐」と名付けられた、と言われています。

常磐線の「常」=茨城県の常陸国(ひたちのくに)

常磐線の「常」に表される常陸国(ひたちのくに)は、現在の茨城県のほぼ全域に相当し、北は福島県との県境から南は千葉県に接する東関東の中心部に位置しています。

常陸国(ひたちのくに)は、かつての日本の行政区分であり、今の茨城県の大部分をカバーしていた地域です。
常陸国は、日本の歴史において多くの時期にわたって存在した古代の国の一つで、地理的には茨城県のほとんど全域に及んでいました。

ちなみに、似たような名前の地名で「茨城県常陸市」があります。
しかし、「茨城県常陸市」は、茨城県内の特定の市の名称です。
常陸市は茨城県の南東部に位置し、常陸国の範囲内にある都市の一つですが、常陸国全体を指すわけではありません。

「茨城県の常陸国」は「茨城県常陸市」とは違うのです。

常磐線の「磐」=福島県の磐城国(いわきのくに)

常磐線の「磐」に表される磐城国(いわきのくに)は、現在の福島県の南部地域に相当し、特にいわき市周辺を中心とした広範なエリアを指します。

磐城国も、かつての日本の行政区分であり、今の福島県南部をカバーしていた地域です。
この地域は、阿武隈山地から太平洋にかけて広がる豊かな自然環境と肥沃な土地が特徴です。

ちなみに、、、「福島県いわき市」という名前もここから来ていますが、磐城国全体を指すわけではありません。
「いわき市」は福島県南部に位置する現代の都市の一つで、かつての磐城国の一部を形成しているに過ぎません。

「福島県の磐城国」も「茨城県いわき市」とは違うのです。

「ときわせん」と読まれてしまう理由は他にも

ここまでで、「ときわせん」について詳しくお伝えしてきましたが、名前もその由来となる地名もややこしい限りですね。

「ときわせん」をめぐる、このようなややこしい関係はじつはまだあります。

常磐線の特急「ときわ」

常磐線には「ひたち」と「ときわ」という二つの特急列車が運行されています。

先ほどご紹介した”常磐の成り立ち”を知っていれば、「ひたち」と「ときわ」という名称の由来が分かりますね。

しかし、「ときわ」という名称が「常盤」とも書けてしまうため、「常磐線」が「ときわせん」と読まれてしまういう誤解が生まれやすくなっている可能性が大きいと思われます。

だから「ときわ」とひらがな表記にしているのかも知れませんね。

常磐(ときわ)大学

茨城県水戸市にある常磐大学は、この名前からもうかがえる通り、「常磐」という漢字を使用していますが、こちらの読みは「ときわ」です。
この「ときわ」という読み方は、「常磐」という漢字に対する一般的な読みの一つとして広く認識されています。

大学の名前が「ときわ」と読まれることも、常磐線が「ときわせん」と誤って呼ばれる理由の一つになっているのでしょう。

「ときわせん」のまとめ

「ときわせん」ならぬ常磐線についてご理解いただけたでしょうか?

常磐線の正しい読み方「じょうばんせん」は、茨城県の常陸国と福島県の磐城国から来ていますが、よく「ときわせん」と誤解されます。

この誤解は「常磐」という漢字が「ときわ」とも読めるために起こりがちです。
さらに、地名や著名人などで「ときわ」の読みが使われることが多いため、混同しやすいのです。

この記事を通じて、常磐線の背景と正しい呼び名について理解を深めていただけたら嬉しいです。

コメント

  1. 宮城県人 より:

    岩沼駅は宮城県岩沼市です。
    そして、常磐線の列車は東北線に乗り入れて仙台まで走っています。

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