職場で「細かい上司」と「大雑把な部下」という組み合わせに悩んでいませんか?
細かい上司は完璧主義で細部までこだわり、大雑把な部下はスピード重視で細かい点を気にしないため、仕事の進め方や考え方が合わず、衝突が起こりやすくなります。
しかし、この組み合わせも、適切な対応をすれば、むしろ相互補完できる関係に変えることが可能です。
本記事では、細かい上司と大雑把な部下の関係がうまくいかない理由や、それぞれの視点からの対処法やコツを解説します。
現状をしっかりと認識しつつ、できることから改善していきましょう!
細かい上司と大雑把な部下の特徴を整理

なぜ細かい上司と大雑把な部下はうまくいかないのでしょうか?
それを知るためにはまず、細かい上司も大雑把な部下も両者の特徴を理解しておく必要があります。
相手が考えていることは何?、または自分はどう見られているの?、その両側面から冷静に見て見ると意外な気づきもあるかも知れません。
細かい上司の特徴
まずは「細かい上司」側の特徴から見ていきましょう。
まず、基本姿勢は「自分が関与しないと完璧な仕事が遂行できない」と思い込んでいる、というところでしょう。
例えば、次のような行動をとりがちです。
- ミスを防ぐため、部下の仕事を細かい部分まで確認して口を出してしまう。
- ルールや手順を厳格に守りたがり、(部下から見ると)融通が利かない。
- 部下の仕事ぶりを細かくチェックしないと不安で仕方がない。
- (上司が考える)完璧な仕上がりを求める傾向がある。
部下の仕事に対して多くのチェックが入るため、部下に仕事を任せているようで、実は部下と自分と同じ仕事を二重でやってしまうことになります。
そのため、「自分でやった方が早い病」に陥りやすいのが細かい上司の特徴として挙げられます。
大雑把な部下の特徴
では、「大雑把な部下」側の特徴はどうでしょう?
「大雑把」とは良く言えば「細かい部分には拘らない」とも言えます。
そう言ってしまうと「細かい上司」とは対極にあるように思えますが、ざっくりと次のような行動をとりがちです。
- あまり計画することはなく、手をつけられるところから進めていく
- 途中で振り返ることはあまりせず、とりあえず終わらせることが優先
- 何か問題が起きたらそれはその時考える
このように「大雑把な部下」は失敗の想定が甘くズンズンズンズン仕事を進めていく傾向があります。
適度なチェックポイントで振り返ったりすることがあまりないため、うまくいけば問題ないのですが、何か問題が起きると取り返すのに時間がかかってしまうこともあります。
細かい上司と大雑把な部下が仕事をすると?
さて、このように細かい上司と大雑把な部下が一緒に仕事をすることになるとどうなるでしょうか?
だいたい予想がつくとは思いますが、次のようなことが頻繁に起こります。
- 細かいチェックを入れてくる上司の存在が、部下にとって面倒くさくなる
- 計画も振り返りもなくミスをしても気がつかないような部下の仕事の仕方に上司のイライラが募る
- 上司は部下の仕事を信用できなくなり、部下は上司を信頼できなくなる
要は、細かい上司も大雑把な部下も双方ともにストレスが溜まるんです。
当然ですよね?
自分のやり方を否定してかかってくる相手を好きになれるわけがありません。
細かい上司でも大雑把な部下を上手に指導できる方法

では、細かい上司と大雑把な部下は一緒に仕事をできないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
お互いの言い分はあるにせよ、歩み寄ることが大切です。
では、どうやって歩み寄るのか?
まずは上司の立場からどのような振る舞いで歩み寄ればいいのかお伝えしていきたいと思います。
「報連相」を徹底させる
もしあなたが上司であれば、部下に「報連相」の徹底について、まず部下とよく話し合いましょう。
なぜ部下が報連相をしないのかというと、「言う必要がないから」と思っていることもあると思いますが、もしかしたら「言われないから」という意外な理由かも知れません。
ですからあなたから「報連相」をしてほしい、とはっきりと伝えるのです。
その際、あなたが求める報連相のポイントをきちんと部下に伝えてあげてください。
- どんな時に「報連相」してほしいのか
- あらかじめ「報連相」をするタイミングを決めておく。(朝一や午後一や定期ミーティングなど)
ちなみに「報連相」って何?何を伝えれば「報連相」なの?という部下にはこう教えてあげてください。
- 報告=「(部下の仕事の)結果」を伝えること
- 連絡=関係する情報を「共有」すること
- 相談=「他人の意見」を求めること
ルールや方針の明確化・視覚化
いつでもルールから逸脱してしまう、ある意味で自由な部下をしっかりとコントロールするために、上司であるあなた自身がルールや方針の明確化・視覚化をしましょう。
部下がルールを守らない、守れないのは明確な決まりがないから、とも言えます。
あったとしても、目で見て分かるような明確なものになっていないからかも知れません。
上司であるあなたがやるべき仕事は次の通りです。
- マニュアルやチェックリストを作って、明確化する(文書化)
- 「最低限ここだけは守ってほしい」という基準や方針を明示する
ここで大事なのは”上司であるあなたのルール”ではなく、”客観的に評価できる文書化したルール”にすることです。
口で言うのは簡単ですが、文書化するとなるとルールの見直しができ、何を判断基準にしていたのか明確になるので、上司であるあなた自身にとっても意外と良い効能がありますよ。
完璧を求めすぎない柔軟な姿勢を持つ
以上、細かい上司が大雑把な部下とうまくやっていくためのコツをお伝えしました。
とは言え、ここまででお伝えしたことをそのまま実行してもなかなかうまくいかないかも知れません。
上司も部下も人間ですから、そうそう簡単には変わっていくものではありません。
だからこそ、上司であるあなたは部下に対して完璧を求めすぎないようにしましょう。
あなたが求めたことを100%だとすれば、部下はその60%でも実行できていればOKというくらいがちょうど良いと思います。
もし80%もできていたなら、「よくやった!」と褒めてあげてもいいかも知れません。
実際に口に出すかはおいておいて、そのくらい大きく構えていてほしいのです。
あなたの対応が変わっていけば、部下と少しずつ良い関係が築けていきますので安心してください。
細かいところに気が回るあなたほどではないかも知れませんが、確実に仕事の成果は上がってくるでしょう。
上司であるあなた自身の成長が部下の成長、仕事の成果に現れます。
辛抱強く待ってみてください。
大雑把な部下が快適に働くコツ!細かい上司に振り回されない

では、あなたが部下だった場合、「細かい上司」とうまく付き合っていくにはどうしたらよいでしょうか?
ここでは、部下の側から上司とうまく付き合っていくコツをお伝えしていきます。
「いやいや、あんな細かい上司とやってられないよ」
そんなことを言わずに、部下であるあなた自身も少しだけ変わっていけばいいのです。
上司にゴマをするのではなく、あなた自身の成長のために。
上司の指示を具体的に聞き出す
まずは上司の指示(言っていること)の内容やその意図をしっかりと聞き取りましょう。
ポイントは以下の通りです。
- 指示を曖昧にせず、具体的に聞く
- 上司が特に重視しているポイントを理解する
上司の指示で理解が曖昧な内容や、「それ何のためにやるの?」という疑問を抱くようなことは率直に上司に質問しましょう。
細かい上司は質問にも細かく応じてくれるでしょう。
その中で特に上司が重視しているポイントは何なのか?あなた自身がしっかりと把握することが大切です。
”細かすぎる”と思われているくらいですから、その中の要点を押さえておくことがとても重要です。
全部を受け止めているとキリがないかも知れませんからね。
それができるようになると、上司が満足できる結果の合格点を、あなた自身で意識して作り出せるようになります。
「細かさ」に対して前向きに捉える
部下であるあなたは、細かい上司の「細かさ」にストレスを感じている状態だと思います。
「いちいちいちいち、そんな細かいところまで気にするの?」「それじゃ窮屈で仕方ないよ」と。
しかし、ここでその捉え方を少し変えてみてはどうでしょうか?
- 細かいチェックのおかげで、部下であるあなたのミスが減る
- 自分が見逃してしまいがちな部分をカバーしてくれる存在だと考える
など、相手から学ぶ姿勢を持ってみれば、いいことばかりではありませんか?
人は自分にないもの(ここでいえば上司の「細かさ」)を受け入れるのはやや抵抗があるものです。
しかし、あなた自身がここを乗り越えることで大きく成長できるチャンスです。
小まめな確認と報告で安心感を与える
細かい上司の特徴でもお伝えした通り、細かい上司は細かいチェックが大好きです。
自分の想定外のことが起こることをできるだけ防ぎたい。
その上司の欲求に部下であるあなたも少しだけ付き合ってみてください。
- 「進捗報告をすることで、上司のチェックが減り、自分の仕事がしやすくなる」と考える
- 「この段階で一度見てください」と途中報告を積極的に行い、上司から安心感を得る
どうですか?
部下であるあなた自身にとっても意外とメリットが多いのではないでしょうか?
仕事のゴールを先に共有できるので、納得感を持って仕事ができますね。
なにしろ、上司を安心させることができれば、あなた自身の仕事も大きく捗ることになるのです。
ぜひ、捉え方を少し変えてみてください。
まとめ|細かい上司と大雑把な部下の組み合わせがうまくいくと最強!

『細かい上司』と『大雑把な部下』の両者の特徴やうまく付き合うコツをお伝えしてきました。
片方が少しでも歩み寄ることで、お互いのストレスが減っていきますので、トライしてみて損はありません。
どうせやるならより良い結果を期待したいですね。
細かい上司と大雑把な部下がうまくタッグを組めるようになると次のような相乗効果が期待できます。
- 細かい部分を上司が見て、大雑把な部下がスピーディーに進める
- 上司の細かさと部下の柔軟さがうまく噛み合うと高い成果が出せる
細かくチェックできる上司と、とにかく前に進みたがる部下がうまくかみ合えば、いいことばかりです。
よく凸凹(デコボコ)ペアと言いますが、お互いの長所と短所がうまくハマる、とはこのような状態のことを言うのだと思います。
この関係を前向きに捉え、互いの強みを活かせる職場環境を作っていきましょう!
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